デジカメ見聞録

気になるカメラ・ガジェット情報を紹介

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8と28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)

本日発表のあった新レンズです。

噂が出てすぐにTAMRONのレンズだろうと言われていましたが,ふたを開けてみれば,なんと旧世代(G1)のほうでした。

ひとまず両者のレンズ構成を見れば図面がほぼ一致するのは明らかです。

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8>

f:id:idcm:20211214221024j:plain

<28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)>

f:id:idcm:20211214221107j:plain

しかしながら,両者のMTF曲線は微妙に異なるようです。詳しくないのでこれが測定方法(測定者)の違いによるものなのかは分かりません。

使われているレンズも完全に同一ではないのかもしれません。ただそもそもTAMRONガラス材を仕入れているようなので(仕入れ先がNikonとはもちろん書いてありませんが),結局Nikonの同じガラスという可能性もあります。

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8>

f:id:idcm:20211214221639j:plain

<28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)>

f:id:idcm:20211214221650j:plain

よく見てみると,NIKKOR ZではスーパーEDレンズが使われており(TAMRONにおけるXLDレンズ),ほかのNIKKORレンズでスーパーEDレンズが使われているものは多くありません。非Sですが収差関連の心配はそこまでしなくてよいかもしれません。ちなみにTAMRONの新型(G2)にはXLDレンズは使用されていないようです。一方で,NIKKOR Zでは逆光防止のコーティングに力を入れている記載は見当たらないので(TAMRONにはBBARというコーティングがされているようです),逆光耐性はあまり期待できないかもしれません。

また,気になるのはAF性能やモーターです。NIKKOR ZもTAMRONも(一基の)ステッピングモーターのようで,両者とも最新のモーターではないようです。また,NIKKOR Zのその他のレンズの製品特徴ページの文章と比べてみると,操作音やフォーカスブリージングについても本レンズのほうが若干控えめな表現に思えなくもないのが少し気になります。

ただ,NIKKOR Zの作例サンプルを見る限りは,落ち着いた柔らかい表現で,個人的には好みではあります。解像性能に振りすぎないのが非Sなのかもしれません。室内や夜景,ポートレート,スナップがメインであれば,使い勝手よく楽しめるのかなと思います。Z 5(Ⅱもそのうち出るのでしょうか)とも相性がよいかもしれません。

若干の割高感はあるものの,以前紹介したマウントアダプタ経由の運用よりは,当然安定性とコンパクトさの点でも有利なはずです。

現在,Z 7にNIKKOR Z 14-30 f/4(DXクロップ併用)とNIKKOR Z DX 50-250の2本体制での運用が意外と取り回しもよくカバー域も十分と感じていますが,本レンズは動画での使用も視野にZ 6用に購入を検討しようかと思っています(もちろんZ 7でも使うと思いますが)。